空調服・ファン付作業着で得られる効果や作業性はファンの位置によって異なるので、作業内容に適したタイプを選ぶことが大切です。作業環境と合わないタイプを選択すると、作業効率が落ちたりファンの故障につながったりする可能性があるので注意が必要です。
そこで今回は、空調服・ファン付作業着のファンの位置による効果の違いを詳しく紹介します。おすすめの空調服・ファン付作業着も紹介するので、購入を検討している人は、ぜひ参考にしてみてください。
空調服・ファン付作業着のファンの位置
空調服・ファン付作業着の種類は、ファンの位置によって以下のように分類されます。
- 腰ファン
- 上部ファン
- サイドファン
空調服・ファン付作業着で得られる効果はファンの位置によって大きく異なるので、それぞれの特徴を押さえておきましょう。
腰ファン
多くの販売店で取り扱われているのが、腰部分にファンが配置されている腰ファンタイプの空調服・ファン付作業着です。腰部分から送り込んだ空気を手や首などから排出することで上半身全体に風を巡らせます。
デザインや機能性に優れた製品が豊富にあるので、自分好みの空調服・ファン付作業着を選びたい人におすすめです。
上部ファン
上部ファン空調服・ファン付作業着は、肩甲骨のあたりにファンがあるタイプの作業着です。
イスに座ってもファンの吸気口が塞がる心配が少ないので、フォークリフトやトラックなどを頻繁に運転する人にもおすすめできます。加えて、腰道具と干渉したり違和感がでたりしにくいのも嬉しいポイントです。
腰ファンとサイドファンと比べて腹部や腰に風が当たりにくい構造なので、冷やしすぎて腹痛や腰痛を起こす心配も少なく済むでしょう。
サイドファン
身体の側面にファンが配置されている空調服・ファン付作業着は、サイドファンと呼ばれています。
サイドファンタイプの空調服・ファン付作業着は、運転席に深く座っても吸気口を塞ぐ心配がないので、トラック運転手に人気のタイプです。ただし、シートベルトに接触すると違和感がでる可能性があるので、車両に乗ったときの状況を想像しながら購入するのがポイントです。
座って作業するときは上部ファンよりサイドファンがおすすめ
座ったままの状態で作業する人にはサイドファンタイプの空調服・ファン付作業着がおすすめです。ただし、首周りが冷えにくかったり、荷物を抱えるときに故障したりするリスクがあるので注意が必要です。
購入後に後悔することがないように、サイドファンタイプの空調服・ファン付作業着にどのようなメリット・デメリットがあるのかを確認しておきましょう。
サイドファンタイプの空調服・ファン付作業着のメリット
サイドファンタイプの空調服・ファン付作業着のメリットは、イスに座った状態で使っても吸気口が塞がる心配がないことです。背もたれがあるイスや運転席でも効率的に送風できるので、フォークリフトやユンボなどを使用した屋外作業に適しています。
サイドファンタイプの空調服・ファン付作業着のデメリット
サイドファンタイプの空調服・ファン付作業着は、ファンが下側に配置されているので首周りの冷却効果が薄まる傾向があります。ファンの位置が腹部に近いので、冷房がかかった部屋で使用すると、お腹を冷やしすぎてしまう可能性も考えられるでしょう。
また、両脇に荷物を抱えたときにファンと接触すると、ファン本体が破損してしまうリスクがあります。
サイドファンタイプの空調服・ファン付作業着を購入する際は、これらのデメリットを考慮したうえで作業環境に合ったものを選びましょう。
サイドファンタイプの空調服・ファン付作業着のおすすめ3選
ここからは、おすすめの空調服・ファン付作業着を3つ紹介します。
商品名 | 価格(税込) |
バートルエアークラフトベスト AC2014 | 25,340円 |
空調風神服 7745 RD9420PH RD9490PJ | 30,030円 |
村上被服鳳凰ベスト V8300 | 24,750円 |
空調服XWBEC XE98025-HLBS | 5,445円(ファンなし) |
ジーベック XE98021A | 1,680円(ファンなし) |
※価格は、ミチオショップの販売価格(2024年6月12日現在)。
それぞれの特徴を確認しながら、自分に合ったものを選びましょう。
空調風神服 7745 RD9420PH RD9490PJ
空調風神服 7745 RD9420PH RD9490PJは、フルハーネスに対応した空調服・ファン付作業着です。背中からランヤードを取り出し、肩部分のベルトにフックを掛けられるので、フルハーネスのベルトでファンの吸気口を塞いでしまう心配がありません。
ファン脱落防止ネットがついているので、高所作業をするときにも安心して使えます。足場組み立てや玉掛けで高所作業をする機会が多い人は、ぜひ試してみてください。
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ジーベック XE98025
ジーベック XE98025は、前後に蛍光テープがついているので、夜間や暗所での作業に適した空調服・ファン付作業着です。
首元のひもで空気の抜け具合を調整すれば首周りだけでなく、腕や腰回りに空気が循環しやすくなります。背中の内側に保冷剤ポケットがついているので、暑い炎天下であっても涼しい空気が作業服内に循環します。
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ジーベック XE98021A
ジーベック XE98021Aは、特殊防汚加工によって皮脂汚れが繊維につきにくくなっているのが特長です。汚れの蓄積が予防できるので、作業服内に嫌な臭いが充満する心配が少なくなります。
XE98025と同様に首元に調整ひもがあるので、循環する空気量が調整しやすいのも嬉しいポイントです。
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空調服・ファン付作業着についてよくある質問
最後に、空調服・ファン付作業着についてよくある質問に回答します。
空調服・ファン付作業着を使ってはいけないシーンは?
空調服・ファン付作業着は、以下の状況では使用を控えるようにしましょう。
- 防爆エリア
- 火花が飛び散っているエリア
- 粉じんが舞っているエリア
可燃性ガスが発生している可能性がある防爆エリアでは、空調服・ファン付作業着の電源を入れると爆発する場合があります。化学プラントやガソリンスタンドなどで作業をするときは、現場管理者に確認したうえで使用するようにしましょう。
また、溶接や溶断をしているエリアでは、ファンから火花が入ってやけどをする原因になります。このようなエリアでは空調服・ファン付作業着を使わないようにするべきですが、やむを得ない理由があるときは、ファンが手元から遠くなるサイドファンタイプを選んだり、インナーに難燃性の衣服を着用したりしましょう。
粉じんが舞っているエリアで空調服・ファン付作業着を使い続けると、ファンにほこりや汚れが付着して熱をもってしまう可能性があります。粉じんエリアで空調服・ファン付作業着を使うときは、空調服・ファン付作業着用のフィルターを活用してみるのも手段の1つです。
空調服・ファン付作業着のファンはどうやって掃除すればいい?
空調服・ファン付作業着のファンを掃除するときは、以下の手順で行いましょう。
- 空調服・ファン付作業着からファンを取り外す
- 綿棒などで汚れやゴミを取り除く
- 水気が残らないように乾燥させる
- 空調服・ファン付作業着にファンを取り付ける
汚れが取れない場合は中性洗剤を使うのがおすすめです。なかには、ファンユニットを水洗いできるタイプもあるので、お手入れの手間を少なくしたい人は水洗いできるファンが搭載されている空調服・ファン付作業着を選びましょう。
空調服・ファン付作業着のファンからカラカラ音がするのは故障ですか?
空調服・ファン付作業着のファンのカラカラ音は、ファンが稼働している音の場合があるため、一概に故障しているとは限りません。
音の大きさや種類は駆動軸の摩耗具合によって変わるので、数日間で音を感じないようになることもあります。どうしても気になる場合は、ファンの掃除をしたり交換したりすることを検討してみましょう。
空調服・ファン付作業着が膨らまない原因は?
空調服・ファン付作業着が膨らまないときは、ファンやバッテリーの故障によって風量が不足している場合があります。他の空調服・ファン付作業着と接続して故障している部品を確かめることもできますが、型式が異なる製品と接続することで故障するケースがあるので注意しましょう。
フルハーネスを付ける人はどの位置のファンを選ぶべき?
フルハーネスを使用する人には上部ファンタイプの空調服・ファン付作業着がおすすめです。
腰ファンやサイドファンの空調服・ファン付作業着は、フルハーネスのベルトと干渉する可能性があります。加えて、ファンの周囲が圧迫されることで空気が循環できない状況になることも考えられます。
まとめ
空調服・ファン付作業着のファンがどの位置に設置されているのがいいのかは、作業内容や環境によって異なります。空調服・ファン付作業着を購入する際は、自身の作業環境を確認しながら適切なタイプを選びましょう。
空調服・ファン付作業着選びで失敗しないためにも、それぞれのメリット・デメリットを確認しながら自分に合った商品を見つけてみてください。