暑い現場で働いているなかでペルチェベストが気になっている人も多いのではないでしょうか。ペルチェベストには、すぐに冷却できて静音性が高い特長がありますが、十分な冷却効果が得られなかったり身体全体を冷やせなかったりするデメリットがあるので注意が必要です。
そこで今回は、ペルチェベストを使うデメリット・メリットを紹介します。ペルチェベストの選び方も紹介するので、購入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
ペルチェベストの3つのデメリット
ペルチェベストには、以下のデメリットがあります。
- 期待するより冷えないことがある
- 身体の一部分しか冷却できない
- 重ね着しにくい
快適な作業環境を手に入れるためにも、それぞれのデメリットを押さえておきましょう。
期待するより冷えないことがある
ペルチェベストの冷却効果は「環境温度から◯度」といった形で決まっているため、外気温が高すぎると十分な効果が得られない可能性があります。バッテリーの持続時間を伸ばすために冷却強度を落とすと、環境温度との差が小さくなってしまうので注意しましょう。
身体の一部分しか冷却できない
ペルチェベストは、ペルチェがついている部分しか冷やせないため、体全体が涼しくなるわけではありません。タイプにもよりますが、基本的に背中や脇下といった一部のみを冷却する製品がほとんどです。
より高い冷却効果を得たい場合は、ファンが内蔵されているタイプや、空調服・ファン付作業着との併用を検討してみましょう。
重ね着しにくい
ペルチェ素子には冷却できる面の反対側が発熱する特徴があります。そのため、重ね着をして衣服内に熱がこもると十分な冷却効果が得られなくなってしまいます。その状態で使い続けると、ペルチェが故障してしまう可能性があるので注意しましょう。
ペルチェベストのメリット
ペルチェベストには、すぐに冷却できたり騒音が少なかったりするメリットがあります。
ここでは、ペルチェベストのメリットを5つ紹介します。
軽量な小型商品が多い
ペルチェベストは軽量で小型の商品が多いため、長時間着用しても疲れにくい特長があります。空調服・ファン付作業着のようにウェアが広がることがないので、手すりに引っかかったり移動のしにくさを感じたりする心配が基本的にありません。
すぐに冷却できる
ペルチェベストには、スイッチを入れてから短時間で冷却できる特長があります。なかには、スイッチを入れてから1秒で冷却できる製品もあるので、すぐに冷却効果を実感したい人にもおすすめです。
この特長を活かすと、事務所や休憩所などの冷房が効いている場所で電源を切り、現場に出てから電源を入れてバッテリーの消耗を抑えることも可能です。
お手入れがしやすい
ペルチェベストは、洗濯できる素材で作られているケースが多いので、簡単にお手入れができます。自宅で選択できる商品が多いので、清潔な状態で使い続けられるでしょう。毎日洗濯する場合は、2着のペルチェベストを交互に使ったり、速乾性のある素材を選んだりするのがおすすめです。
騒音や振動が少ない
ファンが搭載されていないペルチェベストは、騒音や振動が発生しにくいというメリットがあります。そのため、オフィスや図書館といった静かな場所での作業であっても、周囲に迷惑をかけたりクレームを受けたりする心配が少なくなります。
空調服・ファン付作業着が使えない環境で作業をする必要があるときは、ペルチェベストを使ってみましょう。
持続時間が比較的長い
ペルチェベストの持続時間は3〜5時間と、比較的長く使い続けられる商品が多いです。4時間以上使えるタイプを選べば、朝から昼、昼から夕方まで充電やバッテリー交換をすることなく使えます。
充電環境がないときは、バッテリーを2つ持参しておくと作業中に使えなくなる心配が少なくなります。また、休憩中に充電する場合は、購入前に充電スピードを確認しておくことをおすすめします。急速充電できるタイプであれば、1日の作業を1つのバッテリーでまかなえるでしょう。
ペルチェベストを選ぶ際の3つのポイント
より快適に作業をするためには、以下のポイントを押さえておくことが大切です。
- 洗濯ができる製品であるか
- 作業しやすいサイズと重量であるか
- 悪い口コミがないか
購入後に後悔することがないように、それぞれのポイントをチェックしておきましょう。
洗濯ができる製品であるか
ペルチェベストを購入する際は、洗濯できる製品であるのかを確認しましょう。
洗濯できない場合は、汗や汚れによって嫌な臭いが発生する可能性があります。カビが発生するとアレルギー症状などの健康被害にもつながるので注意が必要です。
ペルチェベストの洗濯方法を確認するときは「自宅で洗えるか」を確認するのがポイントです。自宅で洗えない製品を購入すると、洗濯頻度が少なくなることでカビや臭いの発生リスクが高まります。
お手入れの手間を少なくするためにも、購入前に洗濯表示を確認するようにしましょう。
作業がしやすいサイズと重量であるか
重い作業服を着て作業をしていると、動きにくいだけでなく、疲労が増すことで熱中症リスクも高まりやすくなります。作業効率が落ちると、工程が遅れたり品質に問題が出たりするので注意が必要です。
加えて、作業服のサイズ感があっていなければ、機械に巻き込まれる危険性が高まってしまいます。
ペルチェベストを選ぶ際は、実際に試着をしてみてサイズ感と重量を確認するようにしましょう。
悪い口コミがないか
ペルチェベストを選ぶ際は、使用している人の口コミをチェックすることが大切です。実際に着用している人の口コミには、製品紹介にない情報や注意点が書かれていることがあります。
購入後に後悔しないためにも「冷却効果が期待よりも低かった」「バッテリーの持ちが悪い」といった悪い口コミがないのかを確認するようにしましょう。口コミを確認するときは公式サイトだけでなく、販売サイトやSNSなどで検索してみるのも効果的です。
ペルチェベストに関するよくある質問
最後に、ペルチェベストに関するよくある質問に回答していきます。
ペルチェベストへの不安や疑問を解消したうえで購入しましょう。
ペルチェの寿命はどのくらいですか?
ペルチェベストの平均的な寿命は3〜5年程度です。
ペルチェ素子自体は10年以上使えるとされていますが、バッテリーや制御回路などの部品が故障することで使えなくなる場合があります。また、ペルチェの熱が衣服内にこもって排熱できない状態が長時間続くと、寿命より早く故障することも考えられます。
ペルチェベストを長く使い続けるためにも、定期的なメンテナンスをするようにしましょう。
ペルチェ素子は何度まで耐えられますか?
ペルチェ素子はおおむね150℃前後まで耐えられます。それ以上の温度になるとペルチェ素子の内部の半導体が溶け出して、性能が低下したり劣化が進んだりする可能性があります。
正確な耐熱温度を知りたい場合は、製品の取扱説明書で確認するようにしましょう。
水冷ベストとの違いは?
水冷ベストは、水・氷・冷凍ペットボトルを利用して身体を冷やす作業服です。一方、ペルチェベストは、電流を流したときに吸熱するペルチェ素子を利用した作業服です。
水冷ベストは氷や水が温まると冷却効果が失われてしまいますが、ペルチェベストはバッテリーの充電が切れない限り冷却効果が持続します。水冷ベストのバッテリーは、ペルチェベストや空調服・ファン付作業着より持続時間が長い傾向がありますが、氷や水の冷却効果が薄まってしまうと期待している効果が得られなくなってしまうので注意が必要です。
まとめ
ペルチェベストには、期待している冷却効果が得られなかったり身体全体を冷やせなかったりするデメリットがあります。一方、静音性が高く、電源を入れてからすぐに冷却できるといった多くのメリットがあるので、作業環境や目的に合わせて取り入れてみるのがおすすめです。
ペルチェベストを購入する際は、洗濯のしやすさやサイズ感、重量などを確認することが大切です。購入後に後悔しないためにも、本記事で紹介したペルチェベストの選び方を参考に自分に合ったものを見つけてみてください。